2020.08.11
資産分散
2番目のルールは「資産分散」です。
運用の世界では有名なことわざがあります。
「ひとつのかごにすべての卵を盛るな」(Don’t put all your eggs in one basket.)
という格言を皆さんは聞かれたことがありますか?
卵をたくさん買ったとして一つの大きなかごにすべて盛って運んでいたとします。
そのかごをひっくり返してしまった場合、全部の卵が割れてしまうかもしれません。
でも少しずついくつかの小さなかごに分けていたとしたらどうでしょう。
一つのかごがひっくり返ったとしても別のかごに盛られた卵がありますからすべてを失ってしまうことは防ぐことが出来ますね。
このようにリスクを減らす手法が分散投資なんです。
具体的には「資産」「通貨」「国」などを分散させてリスクを軽減することが基本的な考え方です。
ある特定の会社の株式のみ購入した場合をイメージしてみてください。
今はどれだけ業績の良い企業だったとしても20年から30年という長い期間の運用中にどんなことが起こるかを今から予測することは極めて難しいことでとてもリスクの高い投資であるということが言えます。そのリスクを軽減させるために分散投資を行います。特定の会社の株式ではなく、多数の会社の株式に投資しておけば仮にそのうちの一つが大きな損失を出してしまったとしても他の株式によってカバーすることが出来ます。ですから日本だけでなく世界中の株式を、さらには株式だけではなく債券にもというように投資先を分散させておくことでそのダメージを極力抑えることが出来ます。
ここで資産分散の1例として株式と債券という二つの資産の値動きを見ていきましょう。
実はこの二つを合わせて持つことがとても分散の効果が高いといわれているんです。
株式を購入する、株主になるということはその企業のオーナーになることです。ですからその企業が順調に業績を上げれば持っている株式の価格も同じように成長することが期待できます。皆さんどうでしょう?会社が成長するとしたら景気のいい時と悪い時どちらが成長しやすいですか?そうですね、景気の良い時のほうが会社が大きく成長する可能性があります。ですから株価も景気の良い時に上昇しやすくなります。
では債券はどうでしょうか?
債券は満期を迎えるまでその価値は常に変動しています。
一般的に景気が悪くなって、市場金利が下がると債券の価値は上がります。
反対に景気が良くて、市場金利が上がると持っている債券の価値は下がります。
株式と債券は正反対の動きをします。
この値動きの異なる二つの資産を上手に組み合わせることで安定的な運用成果を期待することが出来るようになります。
これが資産分散の効果です。