昔の自分が、今の自分を見たら――アイリーン・グー選手の言葉から考える
自分の考えを振り返り、少しずつ調整する。アイリーン・グー選手の会見での言葉から、他人との比較だけでは見えない自分の歩みを考えます。
誰かと比べてしまう日に
誰かと自分を比べて、少し落ち込むことはありませんか。
仕事の成果、暮らしぶり、体力、年齢。周りを見れば、自分よりうまくやっているように見える人はいるものです。SNSを開けば、なおさらそう感じる日もあるでしょう。
そんなとき、少し違う物差しを示してくれるのが、フリースタイルスキーのアイリーン・グー選手の言葉です。
自信のある答えの、その手前にあるもの
会見で、幅広い質問に素早く答えられる理由を尋ねられたグー選手は、日頃から自分の内面を振り返り、日記を書き、思考の過程を分析して調整していると説明しました。
さらに、幼い頃の自分が憧れるような人へ、日々近づいていけることの喜びにも触れています。
ここから読み取れるのは、ただ自分を褒めるだけではなく、自分の考え方にも手を入れていく姿勢です。
競技の技術を磨くように、物事の受け止め方も振り返る。その積み重ねが、言葉の背景にあるのかもしれません。
自分を責める言葉を、次の行動に変えてみる
ここからは、日々の暮らしに引き寄せた考察です。
たとえば、仕事でうまくいかなかった日に「自分はだめだ」と結論を出すと、それ以上考えるのがつらくなります。
そこで、「準備のどこが足りなかったのか」「次は誰に相談できるか」と、問いを具体的にしてみる。失敗した事実を消さずに、次の行動を考える余地を残せます。
ゴルフでも、一度のミスをきっかけに、残りのホールまで投げやりになってしまうことがあります。終わった一打を責め続けるより、次の一打でできることを確かめる。そんな場面と重なる話ではないでしょうか。
昔の自分に、何を見せられるでしょう
幼い頃に思い描いた人生と、今の暮らしが違う方もいるでしょう。
思いがけない病気や家族の事情、仕事の変化によって、予定を変えざるを得なかった方もいるはずです。考え方だけで変えられない現実もあります。
それでも、今の自分には、昔はできなかったことや、続けてきたことがあるかもしれません。
家族の生活を支えてきたこと。仕事を覚え、誰かの役に立てるようになったこと。困ったときに助けを求められるようになったこと。
そうした歩みは、他人との比較では見えにくいものです。
成長を、成果が増えることだけで測る必要もないでしょう。休む判断ができることや、自分に合うやり方へ変えられることも、これからを生きる力になります。
今日の終わりに、足りなかったことだけでなく、できたことを一つ振り返ってみる。そして明日、自分にかける言葉を一つ選ぶなら、どんな言葉にするでしょうか。「もっと頑張れ」以外の言葉が、今の自分には必要かもしれません。
- Instagram|ご共有の日本語訳付きリール(読者提供の投稿リンク。本文の発言は下記の会見書き起こし・報道で照合)
- beIN SPORTS Hong Kong|会見映像・公開書き起こし(Dailymotion)(2026年10月15日確認)
- Sporting News|会見で語った思考と自己省察について(2026年2月24日報道/10月15日確認)
