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代表コラム約4分

家族に残したいのは、お金だけではない――『ママがもうこの世界にいなくても』を観て

同じステージⅣという言葉でも、向き合う現実は違う。映画を観たがん経験者として、家族に伝えたい思いを綴ります。

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今日、映画館で観てきました

今日10月4日、映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』を観てきました。ステージⅣの大腸がんを患った遠藤和さんの日記を原作に、和さんと家族の日々を描いた作品です。

私は自分もがんの治療を経験しているので、そのつらさは実体験として理解しているつもりでした。しかし、スクリーンの中の和さんが置かれた状況を前に、その考えは簡単なものではなかったと感じました。

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同じステージⅣという言葉の先に

私も、がんのステージはⅣでした。手術、放射線治療、抗がん剤治療を受け、その後も体への影響と付き合っています。だからこそ、作品の主人公も同じステージⅣだと知ったとき、どうしても自分の経験を重ねました。

けれども、作中の和さんは、もはや完治を目指す治療はないと告げられます。その絶望の中で、それでも必死に生きようとする姿に、私は涙を抑えられませんでした。治療の痛みを知っているつもりでも、その告知を受けた人の気持ちまで分かったつもりになってはいけない。そう思いました。

同じ『ステージⅣ』でも、がんの種類、病状、治療の選択肢、家族の状況は人によって異なります。和さんの人生を私の経験だけで語ることはできません。この映画を観て、あらためてその重さを感じました。

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残せるのは、お金だけではない

原作となった日記には、和さんが生きた時間と言葉が残されています。映画を観た今、家族に残すものとは何だろうと、自分にも問いかけています。

私は保険代理店を経営しています。万一に備えて、お金のこと、毎月の支払い、困ったときの連絡先を家族と共有しておくことは大切です。でも、保険で悲しみを消すことはできません。

『ありがとう』と声に出すこと。一緒に過ごした日の写真を残すこと。いつもの食卓で、少しだけ長く話すこと。家族との時間や、自分の言葉も、かけがえのないものだと感じます。

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今日、伝えられる言葉を

この作品を観て、悲しさだけでなく、生きている今をどう使うかを考えました。家族に何かを残そうと急かすつもりはありません。今日はただ、大切な人に伝えたい一言を、先延ばしにしないでいたいと思います。

病気に関する不安や治療の相談は、主治医などの医療者に話してください。厚生労働省の作品タイアップページには、本人や家族も利用できる『がん相談支援センター』などの案内があります。

映画の公式サイトには予告や特報が掲載されています。これからご覧になる方は、下の公式動画案内から作品に触れてみてください。

涙なしでは観られなかった今日、私は、家族と過ごせる時間を当たり前と思わずにいたいと、あらためて感じました。

※筆者が2026年10月4日に映画を観た感想です。映画の表現と実際の医療上の判断は分けてお読みください。病状や治療の選択肢は一人ひとり異なります。

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