NEWS & COLUMN

保険・金融・実務約5分

生命保険会社が破綻したら、保険金や解約返戻金は全額守られますか?

国内で事業を行う生命保険会社の保護対象契約は、生命保険契約者保護機構の仕組みで責任準備金等の原則90%まで補償されますが、保険金額や解約返戻金の90%がそのまま保証される意味ではありません。契約条件の変更や高予定利率契約の補償率低下もあり得ます。

01

まず結論から

国内で事業を行う生命保険会社の保護対象契約は、生命保険契約者保護機構の仕組みで責任準備金等の原則90%まで補償されますが、保険金額や解約返戻金の90%がそのまま保証される意味ではありません。契約条件の変更や高予定利率契約の補償率低下もあり得ます。

責任準備金は、将来の保険金等の支払いに備えて保険会社が積み立てるお金です。破綻時の保護はこの責任準備金等を基準にするため、証券に書かれた死亡保険金や現在の解約返戻金へ単純に90%を掛ける計算ではありません。

02

対象になる条件を分けて考える

救済保険会社への契約移転や承継で契約を継続しますが、予定利率の引下げ、保険金額・解約返戻金の変更などが行われる場合があります。破綻前に慌てて解約すると不利な解約返戻金となる可能性があるため、会社・金融庁・保護機構の公式案内を確認します。

この質問で確認したいのは、契約先が生命保険会社か、保護対象契約、契約日・予定利率、責任準備金、保険種類、保険金・年金・解約返戻金、保険料継続、移転先・手続期限、公式発表です。契約名や制度名だけで一律に判断せず、実際の状況を条件に当てはめます。

03

支払い・判断が変わるところ

予定利率が基準を超える高予定利率契約では、責任準備金の補償率が90%を下回る場合があります。外資系でも日本法人・支店が日本で引き受けた保護対象契約か、共済や少額短期保険など別制度かで仕組みが異なります。

保険料は公式案内なく自己判断で止めず、連絡先変更にも注意します。契約移転後の保障額、解約返戻金、払込方法、請求先、手続期限を確認し、不審な勧誘や振込依頼は公式窓口へ照会してください。

04

具体例で考える

【想定例】死亡保険金1,000万円の契約について『破綻したら900万円は必ず出る』と思っていました。実際は破綻時の責任準備金、契約移転時の条件変更、予定利率などから決まり、保険金額の90%保証ではありません。

同じように見えるケースでも、時期、原因、当事者、契約内容、証拠資料などが違えば結論は変わります。この例だけで実際の支払可否、責任、医療・税務上の取扱いを断定することはできません。

05

相談・請求前にそろえるもの

保険証券、契約概要、契約日、保険種類、予定利率、現在の保険金・年金・解約返戻金、払込状況、契約者貸付、会社・金融庁・保護機構の発表、届いた通知を保存します。

資料が十分でない場合も、まず分かる範囲で日時と経緯を時系列に整理してください。事故や保険金請求では、修理・処分・示談・契約変更などを行う前に、保険会社や代理店へ連絡した方がよい場合があります。

06

約款・公的資料等の該当箇所

生命保険契約者保護機構|Q&Aの「Q1・Q8・Q13・Q14(保護対象契約、補償対象となる責任準備金、原則90%、高予定利率契約、保険金額・年金額・解約返戻金額の90%を保証するものではない旨)」を確認しました。出典欄のリンクから原文をご覧いただけます。保険商品は保険始期、制度は適用時期によって内容が変わるため、ご自身に適用される資料を確認してください。

迷ったときは、現在の契約や事故の状況を整理するところからご相談ください。
電話で相談Webから相談予約