直腸がんとはどんな病気?症状・検査・治療について知っておきたいこと
直腸がんの特徴や症状、主な検査・治療、検診の考え方を、公的な医療情報をもとにできるだけ具体的に説明します。
直腸がんは、大腸の出口に近い場所にできるがん
大腸は、大きく「結腸」と「直腸」に分けられます。直腸は大腸の最も肛門に近い部分で、便を一時的にため、排便につなげる役割を担っています。この直腸の内側にある粘膜から発生するがんが、直腸がんです。
国立がん研究センターによると、日本人の大腸がんはS状結腸と直腸にできやすいとされています。良性腫瘍である腺腫ががん化する場合と、正常な粘膜から直接がんが発生する場合があります。
直腸は骨盤の奥にあり、周囲には膀胱、前立腺、子宮などの臓器があります。また肛門に近いため、がんの場所や広がりによっては、排便機能をどのように保つかも治療を考えるうえで重要になります。
早期には症状がほとんどないこともあります
直腸がんを含む大腸がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどない場合があります。進行すると、便に血が混じる、便の表面に血が付く、便秘や下痢が続く、便が細くなる、便が残っているように感じる、おなかが張るといった変化が現れることがあります。
慢性的な出血によって貧血やめまいが起きることもあります。さらに進行して腸閉塞になると、便が出なくなり、腹痛や嘔吐などが起こる場合があります。
血便は痔などでも起こりますが、見た目だけで原因を判断することはできません。「きっと痔だろう」と自己判断せず、血便や排便習慣の変化に気付いた場合は、消化器内科、胃腸科、肛門科などへ早めに相談することが大切です。
直腸がんはどのように調べるのでしょうか
大腸がん検診では、便に目に見えない血液が含まれていないかを調べる便潜血検査が行われます。陽性になったからといって、必ずがんがあるという意味ではありませんが、症状がなくても精密検査を受けることが重要です。
直腸がんが疑われる場合は、直腸指診や大腸内視鏡検査などが行われます。内視鏡で病変が見つかった場合は、組織の一部または全体を採取し、病理検査でがん細胞の有無を確認します。
がんの正確な位置や広がり、転移の有無を調べるため、必要に応じてCT、MRI、腹部超音波などの検査も行われます。直腸がんでは、骨盤内での広がりを詳しく確認するためにMRIが用いられることがあります。
治療方法は、がんの場所や進行度によって異なります
治療は、がんが大腸の壁のどの深さまで達しているか、リンパ節や他の臓器への転移があるか、がんの性質、患者さんの体の状態などを踏まえて検討されます。
早期で一定の条件を満たす場合には、内視鏡で切除できることがあります。内視鏡による切除が難しい場合は、がんのある腸管と、転移の可能性がある周囲のリンパ節を手術で切除します。
直腸がんでは、がんの位置や進行状況に応じて手術方法が選ばれます。腸管を安全につなぐことが難しい場合などには人工肛門(ストーマ)が必要になることもありますが、一時的な場合と永久的な場合があり、すべての患者さんに必要になるわけではありません。
進行度や再発の危険性などに応じて、薬物療法や放射線治療が検討されることもあります。実際の治療は、本人の希望や年齢、体調、生活環境も含め、担当医と十分に相談して決めていきます。
検診と「いつもと違う変化」の両方が大切です
国立がん研究センターによると、大腸がんにかかる人は40歳代から増加します。自覚症状がない人にとって、定期的ながん検診は大切な機会です。
一方、血便、腹痛、便の形や排便回数の変化など、気になる症状がある場合は、次回の検診を待つのではなく医療機関を受診してください。検診を受けていることだけで安心せず、普段から便や排便の変化に目を向けることも大切です。
直腸がんは、早期には症状がないこともあります。血便や排便の変化があっても必ず直腸がんとは限りませんが、「痔だろう」「年齢のせいだろう」と決めつけず、早めに医療機関へ相談しましょう。自分の身体の変化に気付き、必要なときに適切な検査や医療につながることが大切です。
- 国立がん研究センター がん情報サービス|大腸がん(結腸がん・直腸がん)(2026年9月16日確認)
- 国立がん研究センター がん情報サービス|大腸がんの検査(2026年9月16日確認)
- 国立がん研究センター がん情報サービス|大腸がんの治療(2026年9月16日確認)
- 国立がん研究センター がん情報サービス|大腸がん検診について(2026年9月16日確認)
※本記事は、2026年9月16日時点の公的情報に基づく一般的な情報提供を目的としています。症状、検査、治療方法は一人ひとり異なります。気になる症状がある場合は、記事だけで判断せず医療機関へご相談ください。
