『話してくれてよかった』から始めたい――宇部の投資詐欺報道と、家族の対応
宇部市で約1,970万円のSNS型投資詐欺被害が報じられました。相談を受けた家族が最初に何をするか、責める言葉より先に必要な対応を考えます。
地元のニュースを、家族の会話へ
テレビ山口は10月5日、宇部市の50代女性がSNS型投資詐欺で約1,970万円をだまし取られたと報じました。投資家などを名乗る相手から利益が増えると持ちかけられたというニュースです。被害の詳細をここで推測することはせず、相談を受ける家族の立場から考えたいと思います。
以前のコラムでは、お金を動かす前の確認方法を取り上げました。今回は、家族から『もしかしたら、だまされたかもしれない』と打ち明けられたときの話です。最初の返事によって、その後も話してもらえるかが変わるのではないでしょうか。
問い詰める前に、話せる状態をつくる
『どうして信じたの』『あれほど気をつけてと言ったのに』。驚いたときほど、そんな言葉が出そうになります。でも、その場で本人を責めても、送ったお金が戻るわけではありません。今必要なのは、何が起きているかを一緒に確かめることです。
『話してくれてよかった。まず一緒に整理しよう』。私は、こうした言葉から始めたいと思います。本人が詳しく話せる状態をつくることが、次の対応につながるからです。これは被害を軽く考えることではなく、対応の順番を考えることです。
追加のお金を動かす前に、相談する
警察庁は、SNSで接触して信用させ、投資金や手数料などの名目で送金させる手口を説明しています。一度で終わらず、繰り返し振り込んでしまうケースもあると注意を呼びかけています。
不審な話に気づいたら、相手の追加要求に応じる前に警察へ相談してください。相手とのメッセージや送金の記録、使ったサイトのURLなどは、説明できるように残しておくとよいでしょう。送金に使った金融機関にも、状況を伝えて対応を確認することをお勧めします。
警察庁が案内する相談先は、警察相談専用電話『#9110』と消費者ホットライン『188』です。相談すれば必ず被害金が戻る、という意味ではありません。だからこそ、解決を約束する相手にさらにお金を払うより、まず公的な窓口へつなぎたいところです。
家族の備えは、相談しやすさも含めて
普段から『大きなお金を動かすときは一緒に確認しよう』『失敗したかもしれないときほど話してほしい』と伝えておく。預貯金や保障を整理するのと同じように、困ったときの相談相手を決めておくことにも意味があります。
本人の判断力を疑うための約束ではありません。一人で抱え込まないための約束です。地元のニュースを読んだ今日、家族の誰に連絡するかを一つ決めてみてください。
大切なお金を守るために、家族ができることがあります。相談を責めずに受け止め、追加の送金を急がず、公的な窓口へつなぐ。『話してくれてよかった』という言葉を、普段から用意しておきたいと思います。
- テレビ山口|宇部市のSNS型投資詐欺被害の報道(2026年10月5日18時12分報道/10月6日確認)
- 警察庁 SOS47|SNS型投資詐欺・手口と相談窓口(2026年10月6日確認)
※情報の基準日は2026年10月6日です。事件の概要はテレビ山口の報道、一般的な手口と相談先は警察庁の案内に基づきます。家族の声かけは筆者の考えです。個別の被害回復を保証するものではありません。緊急の事件・事故は110番へご連絡ください。
