NEWS & COLUMN

宇部・企業経営約5分

世界の半導体を支える宇部の工場――無水フッ酸の新設備が地域にもつ意味

セントラル硝子の宇部工場で計画される半導体材料の新設備について、供給網、経済安全保障、地域企業の備えという視点で解説します。

01

宇部工場に新しい生産設備を計画

セントラル硝子は、山口県宇部市の宇部工場に無水フッ酸の新しい生産設備を設ける計画を進めています。経済産業省から、経済安全保障推進法に基づく重要鉱物の供給確保計画として認定されたと報じられました。

国の助成額は最大約176億円とされていますが、実際の金額は今後の投資内容などによって決まります。生産規模、投資額、稼働開始時期などは検討中であり、現時点で確定した数字として扱うことはできません。

02

無水フッ酸は、半導体産業を支える基礎材料

無水フッ酸は、さまざまなフッ素化合物をつくるための出発原料です。半導体分野では、製造工程で使われる材料のもとになり、エネルギー、情報通信、輸送、医療など幅広い産業にもつながっています。

完成品として目にする機会は少なくても、半導体や先端産業を支える重要な素材です。こうした基礎材料が安定して届かなければ、その先の製品づくりにも影響が広がる可能性があります。

03

なぜ国内での供給力を高めるのか

日本は、無水フッ酸の原料となる蛍石や無水フッ酸そのものの調達を海外に大きく依存しています。特定の国や地域への依存が高いと、国際情勢、輸送の混乱、輸出規制などによって供給が不安定になるおそれがあります。

国内の生産能力を高める取り組みは、半導体材料の供給網を強くするための選択肢です。ただし、一つの設備だけですべての供給リスクがなくなるわけではなく、原料の調達先、在庫、物流なども合わせて考える必要があります。

04

地域企業にも通じる、供給網の点検

今回の計画は大規模な素材産業の話ですが、『重要な仕入れを一社や一地域だけに頼っていないか』という問いは、地域の中小企業にも共通します。代替できない材料や部品、サービスを洗い出すことが、事業継続計画の第一歩です。

取引先の分散、必要在庫、緊急時の連絡先、資金繰り、保険で備えられる損害を整理しておきましょう。新設備が地域の雇用や経済へ与える具体的な影響は、今後公表される計画を確認する必要があります。

宇部の工場で進む計画は、世界の半導体産業と地域のものづくりがつながっていることを示しています。株式会社クリエイティブクラスでは、仕入れや物流の停止も含め、法人・経営者の事業継続リスクを一緒にできるだけ具体的に説明します。

※本記事は2026年9月18日時点で確認できた公表・報道情報に基づきます。助成額は上限であり、生産規模、投資額、稼働時期、地域への具体的な効果は確定していません。今後の会社発表・行政発表をご確認ください。

電話で相談Webから相談予約